
概要
VISAキャッシュの特徴
長期にわたるサービス実績と高い知名度
VISAキャッシュは1996年のアトランタオリンピックをはじめとして
長い期間にわたって各地で大規模な実験が行われており、日本でも神戸などでの
スマートコマースジャパン(97年開始)や東京・渋谷での渋谷スマートカードソサエティ
(98年開始)など一般消費者の参加した電子マネー実験を先導してきました。
クレジットカード業界最大のVISAブランドの知名度とあわせ、これらの実績によって
高い知名度を誇った電子マネーとなっています。
多種類のカードによりさまざまな利用形態に柔軟に対応
VISAキャッシュは、取引金融機関・カード会社から発行され口座から電子マネーを
移すことにより繰り返し利用可能なリローダブルカードと、あらかじめ電子マネーの入った
カードの購入金額の範囲で利用できる使い切り型カードの2種類を用意しています。
VISAキャッシュ特有の使い切りカードは電子マネーの利用体験や旅行者などによる
一時的利用にも柔軟に対応でき、カード自体を譲渡することも可能です。
また、リローダブルカードは従来型のキャッシュカード・クレジットカードに
あわせ電子マネー専用のICカード(単独型カード)を持ったり銀行キャッシュカードや
クレジットカードと一体化されたカードを持ったりと利用形態にあわせて
好きなタイプのカードを選ぶことが可能です。
クレジットカードを持っていなくても使い切りカードや銀行発行カードを
利用することによりVISAキャッシュを利用することができますので、
未成年層へのキャッシュレスショッピングの拡大のツールとしての役割も
期待されています。
バーチャル環境で利用可能
VISAキャッシュはスマートコマースジャパン第1期実験にてインターネットおよび
街頭端末(キオスク)でのチャルショッピングでの利用実験にも使用されており、
技術的にはバーチャル環境での利用も可能です(スーパーキャッシュのようなインターネット環境と
リアル環境との相互乗り入れは行っていません)。
加盟店端末の一本化
VISAキャッシュの加盟店端末はVISAのSG−Tが利用されており、
クレジットカードと共通利用することができます。また、クレジットも
ICカードで処理することができますのでICクレジットカードの普及により
カード偽造リスクの低減やオフライン処理・暗証番号認証によるクレジット処理の
高速化も期待できます。
このほか一部の大型店ではPOS端末へのICカードリーダーの接続が行われています。
これまでの導入プロジェクト
- スマートコマースジャパン(SCJ)
日本ではじめてのVISAキャッシュ導入プロジェクトであり、通産省(当時)の
エレクトロニック・コマース推進事業として
採択されて実施された実証実験です。ビザ・インターナショナルと東芝を代表幹事会社とした
コンソーシアムによって行われ、1997年に東京・浜松町地区での社内実験ののち、
神戸・三宮地区にて3万人規模の一般モニター実験が行われました。発行会社は
ダイエーオーエムシー、ビザ・ジャパングループ、ミリオンカード・サービス、
日本信販の4社です。また阪急東宝クレジットサービスの
カード発行によりインターネット上のバーチャル環境での利用実験も行われました。
98年末の第1期実験終了後に1999年6月から2000年末までダイエーと東芝・東芝テックを
代表幹事会社として第2期実験が行われました。
この実験プロジェクトでは世界のVISAキャッシュ・ICクレジットカード
技術開発の最先端に立つ技術実験の性格が強く、数々の技術的成果を残しました。
なお、ロード機・加盟店端末・VISAビューアーは基本的に東芝または
東芝テックの製品が使用されました。
主な技術的成果
- [第1期]公開鍵暗号方式の導入
- [第1期]インターネット環境でのICクレジット・VISAキャッシュサービス
- [第2期]ICカード格納式のポイントサービス
- [第2期]JavaCardの実験導入
- [第2期]大型店POSシステムのICカード対応・接続の標準化
- [第2期]他社ICクレジットカードとの共通運用などと
→発行会社リスト
関連リンク
渋谷スマートカードソサエティ(SSS)
民間主導によって企画されたVISAキャッシュ・ICクレジットカード導入プロジェクトで
1998年7月16日から1999年10月末まで共同実験が行われました。「世界最大の
電子マネー実験」と銘打ち、主要VISAカード発行会社6グループ10社と
三和銀行を除く都市銀行各行、横浜銀行、平成信用金庫(現西武信用金庫)の合計20社が
VISAキャッシュカードを発行しました。
この実験プロジェクトの特徴は首都東京ではじめての大規模電子マネープロジェクトであるという
インパクトのほかに世界各地で行われてきたVISAキャッシュ実験で投入されてきた
さまざまな日本初のサービスを組み合わせ投入していること、発行会社が多数にわたること、
さまざまなベンダーの機材を組み合わせ使用したことがあげられ、マルチベンダーの
運用実験という性格とともにマーケティング実験の性格も強くなっています。
主な日本初のサービスとしては次のようなものがあります。
- 銀行によるVISAキャッシュ発行
- 使い切り型VISAキャッシュの販売
- 銀行口座支払い型のVISAキャッシュカード発行
- ロード機のバンクPOS接続
- 飲料自動販売機のVISAキャッシュへの対応
また、共同実験終了後は主なカード会社などがサービスを継続しつつ、
自宅の電話に接続してロードができる端末「パーソナルATM」の実験や
神戸SCJ2実験同様のポイントサービスの導入などの実験を共同で行いました。
→発行会社リスト
関連リンク
東京・本郷地区
日本信販が本社所在地の東京・本郷地区にてVISAキャッシュと
ICクレジットカードの運用を行っているプロジェクトで、
ICカード実験の発展・SSSとの相乗効果・地元商店街の活性化を
ねらい、日本信販社員食堂を含め約40店舗が参加しました。
We Love 千里
大阪・北千里の「Dios北千里」におけるICポイントカード実験プロジェクトに
住友クレジットサービス(現三井住友カード)提供のVISAキャッシュシステムを
対応させたものです。
関連リンク
大学生協東海事業連合
全国大学生活協同組合東海事業連合とUFJカード(旧ミリオンカード・サービス)が
提携して組合員証と電子マネーを統合したICクレジットカードを発行するプロジェクトで、
電子マネーシステムにVISAキャッシュを利用しました。VISAキャッシュサービス終了により
現在はICチップをクレジットとポイントのみに対応させています。
関連リンク
VISAキャッシュ |
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発行会社 | カード会社・銀行 |
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カードのタイプ | 接触型(ISO・EMV準拠) |
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電子マネーのタイプ | クローズドループ型 |
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カードの有効期限 | あり |
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電子マネーの有効期限 | なし(カードの有効期限と同じ) |
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限度額 | 3万円 |
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暗証による保護 | なし |
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使い切り型カード | あり |
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再補充型単独カード | あり |
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銀行カード一体型 | あり |
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クレジットカード一体型 | あり |
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銀行・クレジット一体型 (ロードは銀行口座から) | あり |
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残高・履歴照会 |
履歴照会はリローダブル型のみ
- 残高表示器(VISAビューアー)
- ロード機(オムロン機での履歴照会は不可)
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自宅でのロード |
可能(電話回線経由/インターネット経由) |
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ネット上での利用 |
可能 |
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電子マネーの譲渡 |
不可(使い切り型カード本体の譲渡は可能)
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換金 |
原則不可 (実験終了時はカードと交換または振込で対応)
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盗難・紛失時の補償 |
不可
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